1枚の写真を囲む懐かしい顔ぶれ。手にはアルコールの入ったグラス、ほろ酔い気分で緩んだ顔、話も弾んでいる。


写真には2人の女の子と1人の男の子。女の子は白、男の子は紺の道着に身を包み、ほんのり焼けて赤くなった顔いっぱいに笑顔を広げている。


「本当、この写真懐かしい。奈々、これでよかったんだよね」


「そうそう、これだよ。あれからもう10年だよ。亜美と優の披露宴で見て、私の披露宴でも使いたいなって思ったから、持ってきてもらうように頼んだんだよね」


ごくごくとグラスの中身を流し込みながら、2人の女性が写真を覗き込む。写真に写っていた女の子は、大人の女性へと成長していた。写真の中と同じようにニコニコと笑顔を浮かべて。



「こんな写真もあったな、そういえば」


身を乗り出して、写真を凝視している男性はもう1人の男の子。


「いいなー、私は体育祭出られなかったから、この日の思い出はないんだよね」


空になったグラスを見つめながら、写真には居なかった女性が言う。


「俺にとっても思い出深い日かな。色んな意味で。俺もこの写真当時から知ってるから」


残り1人の男の呟きに、全員が顔を上げ、驚いたような顔を見せる。酔った男は今まで口にしたことのなかった事実を、ポロリと溢してしまったらしい。



「優、その話詳しく聞かせてよ」


奈々と呼ばれた女性が、ニヤニヤと男を攻め始める。何も言わないが、他のメンバーも興味津々なのは明らかだ。







1枚の写真を巡って、懐かしい高校時代を思い出す。


3人の女性と2人の男性は、同じ時を同じ場所で過ごした、高校時代の同級生たち。