「なあ、華たん。入学式ってなにすんの?」
だるそうに欠伸をしながら問いかけてくる海斗。足を伸ばして、腕を組んで、もう寝るんですか。そして、まだ華たんですか。
「校長先生の話とかじゃない?ほら、校長先生出てきた!」
「まじ?小学校でも中学校でも高校でも校長って話なげぇよな〜。よし、寝よ。華、終わったら起こしてくれな!」
学校に来て1時間も経たないうちに分かった。やっぱり、海斗はチャラい人だ。だけど、やっぱりイケメンだからか、さっきから周りがコソコソ話してる。
後ろの女の子たちは「ねぇ、前の人やばくない?超イケメン!」とかなんとか、やっぱりモテるんだね。海斗も。
「菜穂たん、海斗ってモテるんだね。」
「なんで、華まで菜穂たん言うの。きもい。海斗はね、中学の時から結構人気あったよ?まあかっこいいし、だれにでも懐っこいからね〜。」
さすが、同中良く知ってる!モテるのか〜。じゃあ、新山くんとかもモテるんだろうな。
……ん?新山くん?なんで?
「で?華は新山くん以外にイケメンいたの?」
「あっ、全然探してないや。って、別に新山くんは違うよ!」
「ふーん、へーえ。」なんて、もうやだな。
「そういう菜穂は?いたの?」
「私はね、中々いないね。理想高いからさ!」
「に、新山くんは?普通にかっこよくない?」
「やっぱ気になるんだ〜!まあ、かっこいいと思うけど、私のタイプじゃない!あ、校長の話終わったね。」
校長先生の話が終わり、また違う先生が話し出した。
そんな中、私は早く終わらないかな〜。とか、早く新山くんと話したいな〜。とかもっと友達作りたいな。とか希望に胸を膨らましていた。

