「私たちの席は〜、ここだね!もう、出席番号順だから絶対海斗間にいるよね。華、海斗と変わっちゃいなよ!」



菜穂が席を見つけて私に言った。



「海斗なら、変わってくれるよね!変わっちゃお!」



そう言って、私と菜穂は横に並んで座った。



「華たん、菜穂たん。お前ら、まじひどくね?」



疲れきった顔をした海斗が、左手で新山晋哉くんを掴んで立っていた。



「華たん、菜穂たんってなに。きもいよ」



うわ〜、菜穂さん毒舌。まあ、私もちょっと思ったけど。



「きもいじゃねぇ!晋哉起こすの大変だったんだからな!体揺らしたら、この切り目に睨まれたんだからな!」



海斗はそう言って、新山晋哉くんをぐいっと引き寄せ、私たちに顔を見せた。



え、まって。新山晋哉くん。すごいかっこいい。切り目だし、鼻高いし、私の好きな茶髪だし!



私はつい、見惚れてしまった。



「なに、なになに。もしかして華、アンタ新山くんみたいなのがタイプなの?」



「な、菜穂!なんでっ、ちがっう!」



な、んでバレてんの?!



「わっかりやすいなあ〜!」とニヤニヤしながら言う菜穂。なにか企んでいそうです。



「後で、私たちも新山くんとも仲良くなろっか!ね、華!」



「そ、そうだね〜。」



やばい、菜穂って中々強引な人かもしれない。



「ほら、晋哉!早く自分の席行けよ!」



「へーへー。今行きますよー。」



新山くん、寝起き悪いのかな。なんか、すごい不機嫌な顔になってる。



「え、てかなんで、華が俺の席座ってんの?」



席が変わっていることに気付いた海斗が話しかけてきた。そんな海斗に菜穂が答えた、



「いーじゃん、海斗は華の横ね!私たち、イケメン探しするから!」



「イケメン探しぃ?しょうがねぇなー、じゃあ俺は美女探ししよーっと」と言いながら私の横に座った海斗は、うん、いい人だ。