と、思っていたら
颯ちゃんがこっちに
近づいてきた。

びっくりして、少し
身構えていたけど、

「壺田、ちょっといーか?」

意外にも颯ちゃんが呼んだのは
なっちゃんだった。

「なーにー?」

「ちょっと来い。」

「え、やだ。」

(そーだそーだ!
私からなっちゃんを取らないで!)

と心の中で思っていたけど、
思いは届かず。

「あーっ!
いーから来いって!」

「ちょっと!
なにすんのよ。やめてー!」

とか言いながら
颯ちゃんが、なっちゃんを引っ張って
廊下へ出て行ってしまった。