『チェックしてください。』






そう言ったのは私だった。









本当は話したかった。
本当は触れたかった。
本当は抱きしめたかった。
本当は… 本当は…







愛してる。
あの日から。
10年前の夏から。


ずっと。ずっと。


あなただけを愛してる。




本当はそう伝えたかった。








だけど、出来なかった。
素直になれなかった。

晃が何よりも誰よりも大切で…
大切にしすぎて。

晃は私。
私は晃。




これ以上、壊したくなかった。
これ以上、傷つきたくなかった。









『待って。一緒に行こう…』


晃が私を止めた。

晃にだって、思っている事がたくさんあったはずだ。








『分かった。少し歩かない?』


そう言って、2人一緒に店を出た。