今にも雪が降り出しそうな気温のなか、晃のまっすぐで輝く瞳は変わらなかったし、私の晃への気持ちも変わらなかった。


雪のように晃の瞳は輝いていたし、暖めるように、私の気持ちは大きくなっていた。








『今年は31日まで仕事なんだよ。飲食店はこれだからイヤだよな…』


晃が珍しく愚痴をこぼしていた。


『本当!これじゃ、晃とのカウントダウン計画は流れちゃう… でもさ、待ってるよ。…凍えてなければだけどね!』


そう言った私を
『このやろー!』
と抱きしめてきた。








秋が終わり、どちらともなく、『一緒に暮らそうか』とゆう空気になっていた。
恭ちゃんと会ってからとゆうもの、晃は何だか敏感になっていた。
あれから恭ちゃんとは会っていない。
もちろんあの日から連絡も取っていない。



『ごめんな…』
とつぶやいた晃のなかであの時から何かが変わっていたように思えた。
確信をつくものは無かったけど、一緒にいても今まで以上に優しかったし、今まで以上に私を気に掛けてくれていた。





それから2人で家を探し、一緒に暮らし始めてた。
私は朝から働いて夕方、家に帰る。
すれ違うように晃は夕方から働いて朝に帰ってくる。



時間が合わなかったからこそ、一緒に暮らしていることがとても大切なことだと思った。







私たちの部屋はとても殺風景だった。
打ちっ放しのコンクリート壁をはうように並べた晃のレコード達。
大きなパソコン。
ガラステーブルとソファー。


それから必ず一緒に寝れるように、大きなベットを準備した。



キッチンには必要最低限のものだけ。
冷蔵庫のなかはペットボトルだけ。
テレビはない。
生活感もない。


だけど、ここが2人だけの居場所だった。






何度も何度もお互いを求め合った。
自分自身を大切にするように、寂しくないように、悲しくないように、そして傷つかないように。



同じ日に産まれ同じ血液型を持つ晃は私自身であり、私は晃の分身だった。



私はまっすぐで輝く瞳を持っていないけれど、晃は私の黒く長い髪を持っていない。




自分自身だけれど、他人。
他人だけれど、自分自身。



深く、誰よりも深く繋がっていた。
繋がっていたのに…