10年後

エリさんは結局見つからず、2人で初詣に行った。
新しい年を恭ちゃんの隣で迎えた事が何だか特別な事に感じていた。




晃とは去年、終わったんだ。
私がずっと晃との思い出に依存していただけで、本当はもう終わっていたんだ。


同じ日に産まれ同じ血液型を持つ晃とは、今はもう別々。



だけど、私たちは一緒にいた。
晃を愛していた。
晃に愛されていた。
それは変わらない事実。




そう。10年後の今も。










冬はまだまだ寒いままで、私は3学期をむかえた。
進学校だったが、私は就職を希望した。
恭ちゃんと同じ大学がいいなと思ったが、受験をするには手遅れだった。
本来なら三者面談になるところだが、先生たちは何も言わなかった。





私はこの春、卒業する。






恭ちゃんはやっぱり笑っていた。
就職することを伝えると『寂しくなるな』と言っていた。


だけど、私たちは笑っていた。
何も変わらないと思った。
変わらないでいて欲しかった。




私の就職が決まるまで、私たちはとにかく遊んだ。
クラブへ行く事も多かったし、パーティーには全て顔を出した。
そして恭ちゃんのベッドで何日も何日も過ごした。

いつだって恭ちゃんは笑っていたし、優しかった。
そして、私の手を繋いでいた。










私は18歳になる。









同じ日に産まれ同じ血液型を持っている事は、恭ちゃんには、話していなかった。

今年は私だけの誕生日。
だけど、晃も年を重ねる。





心の繋がりよりも、もっと深い繋がりはこの事だったのかもしれない。



例え、離れていても、会えなくても、また愛し合えなくても、私は晃と一緒に、年を重ねる。

いつだって繋がっている。


深い深い絆で。







春。私は変われなかった。