クラスの雰囲気は表向きは変わらない――変わろうとしているのは、少女達の裏に隠れている者達――。


鏡花の産休は致し方ないとしても、代わりの人員を評議院が強引に選定、派遣した事に監理局は抗議した――。


とりわけアメリカの尖り具合は他国を驚かせた――。


監理局の本部も日本に持っていかれ、予定していた鏡花の代わりも評議院に「すり替えられ」世界のリーダー足り得たい面目は潰されたに均しい――。


御多分に漏れず、監理局内も決して一枚岩ではない――。


アメリカ主導の下、北中米、南米連合が独自に魔法少女やポーターの能力の解析に乗り出し、応用を密かに研究しているという、真しやかな話も流れる――。


無論アメリカが素直に「はい、そうですよ」と認める訳もなく、噂話は監理局を駆け巡る――。


そこに評議院の「圧力」が加わる――。


欧州カルテットのみが重圧を受けているのではない――北中米、南米出身の魔法少女達にも、大人の思惑が照射され、その「小さい躰」で受け止め、含み、監理局やエレノアとの「距離感」を計測する――。







「どうした、ひばり――もう還ろう――」


イバネスが、遠くを眺めるひばりに言った――。




「不気味な宇宙(そら)の色――――」


「何も起こらないといいけれど――」


宇宙の彼方を眺め、ひばりは自らに言い聞かせる様に想いを込め、願った――。