9月は早くも下旬に差し掛かった――。


この間、ダークエネルギーの襲来が幾度かあったが、りおんの出撃はなく、申し合わせた様に新興国、途上国出身の魔法少女達が「お相手」をし、壊滅した――。


こっそりと、鏡花サプライズ計画は進行している――。


この頃になると、鏡花の驚いた表情をそれぞれが想像して、鏡花を見る度「くすっ」と心の内で笑う――。


果たして鏡花は――


笑うのか――


涙を流すのか――


それとも――――




その日が迫る度に魔法少女達の魂は「純粋度」を増し、折られる鶴の数とともに清められてゆく――。




そして今日も、鏡花のホームルームが始まる――。


もう1週間弱で、しばしの別れ――。


汐らしく着席し、心の快楽と高揚を抑え、鏡花を待つ――。


チャイムが鳴ると同時に引き戸が開けられる――。


正確無比な鏡花の日常――。


いつもの様に、すっと教壇に上がり、教卓の前に立つ――。


優しく、柔らかく醸造された温かい教室の温度と香りが冷め、失われてゆく――。








「お、御姉様――――」


無意識に支配された躰は立ち上がり、言葉を呟き、リンスロットの誇り高き魂は震え、自慢の金髪は色褪せ、動揺した――。