「先代のマスターが退役し、ポーター継承権を行使しせずに引退――わたくしはマリカのポーターになるまで休眠モードでしたから――」
「なるほど――」
「それで、新規契約したマリカから、この名前を頂いたのです――」
マリカの「性質」とは真逆な淑やかで丁寧な語り口のジュリアナは、再び役目を与えられた悦びを滲ませ、言った――。
「あれれれぇ、ジュリアナちゃんとステッキさんちゃんって知り合いなのぉ――んもぅジュリアナちゃんってばウォーターバットスメルなんだからぁ――それってマジでディスティニィーって感じっしょっ――」
「知り合いというか――わたくし達ポーターの関係は、色々複雑ですから――」
「ふぅーん、まっマリカ的にはどーでもいいけどねぇ――んじゃ、ジュリアナちゃん、ちゃっちゃとやっちゃってぇ――」
「わかりました――」
ジュリアナとステッキさんが向かい合い、互いの「躰」が発光する――。
「この程度の事をマスターに知らせないなんて、何をしているのですか――」
「す、すまんな――バタバタと立て込んでいてな――」
「どうだか――」
ステッキさん十八番のはぐらかしに、ため息混じりで応じるジュリアナ――。
そして、過去の場面を再現する様に、レジスターの「あの音」が鳴る――。



