しかし、問い詰めたところで、暖簾に腕押し――。



堂々巡りは、悪戯に時間と体力と精神を浪費する――。



小学校時代からの友達と別れたのは辛いけど、このご時世、連絡を取り合う手段は豊富にあるし、同じ都内なのだから逢おうと思えば、いつでも――。


幸いに、父も「そこそこ」の小説家の為、「突然」のお引っ越しにも不都合な事は何もないのだ――。


そう言い聞かせ、自らの内部で燃え盛る想いを消火し、汚れた心の器とともに、吸水性に優れたウエスで拭き取り、磨き、ポジティブというコーティング剤を塗り込む――。




「じゃあこの話、終わるから――」


棄て言った、りおん――。




「あの――」




「あのぅ――りおんさん――」


「何っ――」



「はい、こんな時にあれですが――」



「魔法監理局から、出撃要請がありまして――」


「はああぁぁぁぁーーっ――」


「わたしでなくても、いいでしょっ――」


呆れ、そしてステッキさんを睨むりおん――。



「そ、その皆さん色々とお忙しい様で、頼めるのは、りおん様しかおらず――」




「ちっ――」