玄関で靴を脱ぎ、私はそのままリビングへと向かった。
ドアを開けようとしたら、中から笑い声が聞こえた。
『りっくん、ケーキ美味しい?』
『うん。智晴の作るケーキは特別美味しいよ。』
『ばか…』
ラブラブな二人の話を聞いているとリビングに入るかどうか迷った。
(今律兄と智晴さん、いい雰囲気だからそっとしといた方がいいよね…?)
私はドア越しに『ただいま』と言った。
すると智晴さんがガチャっとドアを開けた。
智晴さんはにこっと笑い、『結香ちゃん、おかえりなさい』と言った。
『た、ただいま。』
(…どうしよう!私、絶対に邪魔だよね!?)
律兄も私に『おかえり』と言ってくれた。
でも…
(律兄、めっちゃ機嫌悪いじゃん!!)
どうしよう…
律兄を不機嫌にさせてしまいました…!

