「彼女と同じように…飛ぼうとした」 情けなくて、ちっぽけな自分が、出てくる。 「……でも、出来なかったんだ!!」 「……」 黙って聞いてるあの子が一歩、こっちへ近付いた気がした。 「こわかったんだ!!」 「……」 また一歩。 近付いた気がした。 「空も…飛べないんだ、俺は。だから、のうのうと生きて、惨めに生き抜こうとした」 …………ダメだ。