「俺はただ見ているだけしか出来なかった!」 後ろにいるあの子にでもなく、 「助けることも…手を、伸ばすことさえも…」 ましてや彼女にでもなくて、 「―――出来なかった。…しなかったんだ!」 誰にでもなくただ、 ……叩き付けた。 もう、止まらない。 「あとだって、追おうとした!」 渦巻いて溜まっていたモノが、汚く滲み出てくる。