俺はかじっていたポッキーをくわえると、
「何が?」
と、聞いた。

「今の今までの太はさ、突き進んでたじゃん。

好きになった子ができたら一直線、要は狙い撃ちみたいな感じで進んでたのに。

三春さんを好きになったら慎重になったと言うか、考えて行動するようになったから…太らしくねーなって」

七緒は箱からポッキーを取り出すと、かじった。

一直線とか、狙い撃ちか…。

七緒の言う通り、今までの恋愛はそんな感じだった。

好きな子ができたら狙って、とにかく口説き落としていたっけな。

「大事にしたいって思ったんだ」

俺は言った。