俺の背が高い以上、三春さんを見下ろす格好になってしまうのは仕方がない。

三春さんの目を見ながら、口を開く。

「――三春さんの理解者になりたいんです」

俺がそう言った瞬間、三春さんの目が大きく見開いた。

「…あなたがそう言い出したってことは、上野か安部にあたしのことを聞いたのね。

九重兄さんと一葉姉さんに聞いても、はぐらかすだけだろうと思ったから」

三春さんは読んでいたマンガを閉じると、膝のうえに置いた。

「どうして、あなたはあたしのことを怖がらないのかしらね。

そもそも、嫌いにならないこと自体が不思議だわ」

「三春さんが好きだからです」

「そうでしょうね」

俺の答えに、三春さんは納得したように首を縦に振ってうなずいた。