――仕事先で、とても嫌なことがあった。辛くて、苦しくて。



上司に、責められた。確かにミスをした私が悪いが、誤解もあった。でも上司は理解をしてくれなかった。年下の上司にもタメ口で文句を言われ、それはいつものことだが、そんな出来事が毎日重なり、積もり積もって私の頭が爆発しそうになった。



周りの人は、黙ってみてるか私を責めるかのどちらかだった。仕事場に、話せる人が居ない私。



こんなモヤモヤした気持ちを、私はある場所に書き綴った。



以前活用していた、ブログ。指の赴くまま、



『言いたいことも言えなくて言葉が出なくて涙しか出なくて』『誰か1人でも味方がいればまた違ったのかもしれない』



そう言った愚痴を、書き殴った。いいんだ、何を書いても。どうせ誰も見ていないのだから。吐き出すだけ吐き出させてよ。





仕事場を離れてすぐの、帰り道。理不尽なことで責められ、悔しさからくる涙を堪えながら。



『ヤバイ、泣きそう』



カチカチと書き綴る指は、止まらない。上司の前で、人前で、泣きたくは無かった。下宿についたら一気に流してしまおうか。



携帯を乱暴にカバンに入れ、出てきそうになる冷たい粒を指でそっと拭う。



道行く人たちに変に思われぬよう、平然を装って。急ぎ足で下宿へと向かった。