「何かをする場合、行動を起こせばどうなるか、周りがどんな状況になるか想像はできるか?」
「……想像できてないから、こうなってしまったんだろうね」
「その失敗を何度もしているなら、失敗をする前にそれは同じパターンだと気付けねェって事か?失敗の原因がわかってんなら、次はどうしたらいいか考えてるか?」
「そういう風に聞かれると、気づけてなかった。次はどうしたら……、今すぐにはわからないや」
どうしよう、これじゃあいつまでたっても成長できないね。不信に思われてしまう態度や行動が私には、あるのかな、とぼそり。
「普通にしてりゃ不信に思われる事なんかねーだろ。態度も悪いからといって、失敗が不正という誤解に繋がるとは考え難い。『気付き』ってのは難しい事だと思う。自分の殻を破らねェと見えねェモンの方が多いと思うしな。だからこそ他人の言葉は有り難ェ。今までの失敗に共通する事はあるか?」
「共通すること……、わからないけど、ただ今回も前回も金銭関係なんだ」
そう、前回。……蒼君と出会う前の話。その時もお金に関する事件が別の職場で起きた。
「金か。釣銭が足らねェとかか」
「ん、釣銭とかとは少し違うけど」
「金問題は原因ハッキリさせねーといけねェ問題だからな。その問題についておめーの上司は何が原因か解決しようとしてくれたか。おめーを、疑うじゃなくちゃんと見てくれたか」
「ちゃんと見てくれたかどうかで言えば、見てくれなかった。残念だと言って私がしたと決め付けてた。……もう、お金を扱う仕事は怖いから。次は、別の仕事にしようかな……」
「その失敗が多いんなら、金を扱わねェ仕事にするのがいいとは思うがな。それが苦手なんだろうしな」
「うん。……監視カメラがあるんだけど、解像度が悪いだか何だかで、真偽の判定が難しいだか言ってた。私がした部分がハッキリ映っているわけではないのに、というかそもそもしてないから映っていないのは当たり前だけど、この時しか考えられないと言われたの」
「そりゃ酷ェな。カメラの意味ねェじゃねェか。潔白ならおめーももっと食いついて言わねェとな。何がどうなっているのか、何故それが自分と思われたのか、詳しく細かく聞かねェと。疑われるとは此方も心外ですってくれーよ。ま、関わらねーのが一番だがな」
「……言ったよ、何度も。私じゃないです、って」
