蒼の歩み


「それと加えて言えば、何でもかんでも助けるつもりはねェ、俺にも限度があるんでね。そいつが自分で立てるようにケツ叩くだけだ。信頼されたら応えてやりてェだろ。無理なら逃げるけど」




無理なモンは引き受けられねーからな、と蒼君は車を停めた。



「ちょっとここらで休憩するか。真歩、腹減ってねーか?」



道の駅だ。



お腹は空いていないけれど、そうやって聞くということは彼自身が空いているのかなと思い、同じように聞き返すと。……そういうわけでは、なかったみたいで。



とりあえず私達は、建物の中に入った。お土産コーナーやらソフトクリーム屋さんがある中、私の目に止まったのはおみくじ屋さん。



じぃっと見つめているのがバレたのか、彼にやりたいのかと問われたので、素直にうんと答える。なので、彼に見守られながらおみくじを引くことに。50円と値段も安い。


「女ってのは占いだとか好きだよなー」


「蒼君は、好きじゃないの?」


「嫌いではない」


なんだそりゃ。



結果は。……小吉。まずまずだが、これって下の方だよね、と若干落ち込んだ。凶や大凶よりはいいけれど、と私がブツブツ言っていると。





「知ってるか、おみくじじゃ大吉は運が上がりきっちまってるからそっからは下がるだけ、逆に凶は落ちるとこがねーからこれから希望に満ち溢れた未来が待ってるんだ」



と言って、私の肩をぽんぽんと叩く彼。……毎度思うが、そのような言葉がスラスラと出てくるのは、経験の差なのか何なのか。



「大吉が最高、ってわけじゃないんだね。でも、そうだとしても、大吉が出たらやっぱり嬉しくなるんだろうな」



「大吉が出た時には、素直に喜べばいいさ。裏のメッセージみたいなの、あるのか?なんて書いてあったんだ」



言われて、一緒に紙に目を通す。どれどれ。



『急ぐこと勿れ。貴方のペースで生きましょう。マイペースを崩さないようにしましょう』



「マイペースを崩さない……?それもそれでどうなんだろ。ね?」



自分より背の高い彼の顔を見る為にチラリと斜め上を見遣った。



「どうしたら、そのマイペース崩せるんだろうな」



すると何故か、私の頭の上にボフッと彼は手を置いてきた。ので、思わず目を瞑る。



「え、なに。私、ペース崩した方がいい感じなの?」



なんだよう、と言わんばかりに、彼の手を右手でゆっくりと避けながら、言葉を返す。