慌てふためく私を余所に、直人はまた距離を詰めてくる…



え、そんな…もう一回だなんて……


息がっ、息が〜〜〜〜っっ!!!



「くっ…」



く?



直人を見ると肩を小刻みに揺らしながら口元を押さえている。



これは…


もしかしなくても笑っている!?



「悪ぃ…そんなに、身構えられたら、もう…
あはは!」


「か、からかわないでよ!」



大口を開けて笑う姿に、ワナワナと怒りが込み上げる。



でも…こんな風に笑うのも初めてみた。


今日は新鮮なことばっかりかも。



笑ってる原因は許せませんけどね?


人の純情を弄ぶとは…!



その帰り道、それはもうキレながら家路に着いた。