どれだけ唇を重ね合わせたのだろうか…
チュッーーというリップ音の後に直人との距離は離れて、
私はというと、恥ずかしいという気持ちよりも苦しさが先にきて肩で大きく息をした。
「分かった?
俺がどれほどお前を求めてんのか」
普段とは違う艶っぽくて低い声…
ドキドキと同時に身体が震えた。
ここで返事を間違えたら絶対ダメだ!!ーーと、
脳から強い信号が送られてくる。
もうそれはそれは思いっきり首を『縦に』何度も振った。
いくら何でも私だって分かる…
もし『分からない』とでも言おうモノなら“アレ”がやってくる!
いや、嫌じゃないんだよ?
嫌じゃないけど…
まだ心の準備が出来てないとでも言いますか…
「ホントに?
じゃあもう一回…」
「へ!?」
えっ、ま…まさかの判断ミスッ!!?