そんな私の様子に、直人は立ち上がって腕を掴んできた。
「なな、なにっ?」
「いいから」
いや、『いいから』って…答えになってないんですけど!?
ぐいぐいと引き摺られる中、
必死に手を伸ばし、何とかカバンだけは手繰り寄せた。
連れてこられたのは第二音楽室。
音楽室といっても授業で使うことはなく、吹奏楽部やコーラス部が練習で使う場所だ。
直人は徐(おもむろ)にポケットから鍵を取り出すと、躊躇なく鍵穴に差し込んだ。
「なぜ…ここの鍵を持っているのでしょうか?」
「まぁここっていうか、俺のコレはマスターキーなんだけどね」
何…だと…?
いやいやいや、気になることは山ほどあるよ?
入手経路とか、いつから持ってるのだとか、
けど、聞いたら聞いたでややこしそうだしぃ〜…

