「…お。おい、美桜。美桜!」
直人の声にハッとして顔を上げる。
前には怪訝そうな顔をした直人が立っていて…
「あれ…授業は?」
「とっくに終わった」
「嘘!?」
その言葉通り、教室を見渡してみると残っている人の数はまばらで日も傾いてきている。
どんだけぼんやりしてたんだ、私…
「何かあったのか?」
「え…」
何もかも見透かされそうな漆黒の瞳。
ただ、今は夕日がその目の色を明るく変えていて…
綺麗ーー
そんな状況でもないのにも関わらず、ついそう思ってしまった。
「…えーっと、そのぉ…」
幸いなことにすぐ覚醒し、話そうとしたんだけど…
質問に答えようにも周りに人はいるし、言葉だって纏まらない。

