胸が、苦しい…


辛くて辛くて仕方なかった時とは違うような…


もっと、こう。


ドキドキし過ぎて?みたいな感じ?



「ヤバい…
嬉しくて堪んないわ」





何、それ…


何その笑顔!!



花音を見つめていた時のような優しい表情が私に向けられるなんて…


ううん。それ以上にもっと甘いような…


有頂天になってるからそんな風に感じるのかな?



「私も…嬉しい」


「…なぁ、抱き締めても…いい?」



この人は…


私が断るとでも思っているのだろうか。


わざわざ確認を取るとは…今まで何回も抱き締められたような気がするんですけど?


まぁ、直人らしいっちゃ直人らしいか…



不安そうな顔をする直人に、私はこくりと頷いた。