「あ、あの……」
「…こっちは我慢してるっていうのに」
「へっ、なに?」
かなり早口で小声だったからこんなに近いのに聞こえなかった。
それに近すぎて話を聞く余裕がない。
もうバクバクというか、ドキドキしてヤバイ!
そしていきなり、
伏し目がちになっていた直人がこっちを見た。
さっきとは何処か違う表情。
鋭く尖った視線…
その目に捉えられた瞬間、
心臓が鷲掴みになったような…そんな感覚がした。
「美桜…」
発する雰囲気とは裏腹に、直人は…
甘く優しい声で囁いてくる。
そして、
段々と顔が近付いてきて…

