「面白かったよね~!最後でまさかひっくり返るとは…」
「あそこまでは考えつかなかったですよねぇ…
でも好きなのが見れて大満足です!」
映画館からの帰り道。
夕日でオレンジ色に染まった道路を、先輩と二人でゆっくり歩いていた。
うーん!
今日は一日楽しかったなぁ~。
ランチも美味しかったし、映画も面白かったし!
軽い足取りで歩を進めると、ゆっくり歩いていたのにあっという間に駅前に着いた。
「送ってくよ」
「いえいえ、そんなに気を使ってもらわなくても!
まだ明るいですし大丈夫です!」
両手をブンブンと振って、私は力強く言った。
何だろう…
拓真先輩って、女性への接し方が慣れてるって感じがする。
女の子扱いしてくれるというか…
私にはちょっと慣れないかも。
「そんな全力で拒否らなくても…
俺が美桜ちゃんともっと一緒に居たいんだけど」
「へ?」
「ダメ?」
そう言いながら先輩は距離を詰めてくる。
「え、えと…あの、その…」
ハッ。そういえばこれってデートだったんだよね!
今日一日、拓真先輩と一緒にいてスッゴく楽しかった。
色々と気も合うし、二人でたくさんお喋りして笑って…
この人となら…
もし…もし付き合ったとしても、私を大事にしてくれるかもしれない。
そんな『これからのこと』を考えたりもした。
だけど…
なのに、
私の頭の片隅に浮かぶ人は決まっていて…
あぁ、ダメだな。私…
全然前に進めてないじゃん。
「美桜…ちゃん?」
「はい…」
「どうして、泣いてるの?」
泣いて…?
言われて頬に手をやってみる。
指で触ってみると、確かに涙が流れていて…
嘘、全く気付かなかった…
「ごめんなさい……、拓真、先輩…」

