「そっか。うん…俺、もう少し頑張ってみるわ。離脱したら美桜さんが怖そうですし?」


「別に怖くありませんよーだ!」



軽い口調で返しながらも、ちょっと安心した。


直人が自分の好きな気持ちをナシにしなくて…


好きな気持ち、かぁ。


それで出てくるのはやっぱり…



「はぁ…」


「お前も苦労してんだな」



思わずついたため息に、何も話していないのに直人に同情された。


人の心の中を読み取らないでよ、もう。



「苦労とかじゃないよ…けど、まだ残ってるというか」



まあ自分の中でちゃんと決着もつけたし、これ以上どうかしようという気は全くない。


でも、長年想ってただけに中々消えてくれないんだよね…


恋をしたら…自然に忘れるのかな?
それとも、時間が解決してくれるのか…


考えながらも、結局は流れに身を任せるしかないのかなという結論に至るのだった。