「あれ、アンタもこのクラスだったのね?」


「ひ、久しぶり…心菜ちゃん」



み、見つかってしまったーー!!



私の前に現れたのは、須藤心菜(スドウ ココナ)ちゃん。


ひーくんの妹で、年は私と1コ下。


仮にも後輩のはずなのに、アンタ呼びなのは昔から変わらないようだ…


傲慢で自己中心的。


はっきり言って苦手でしかない。


転校するまでの間、この兄妹に幾度となく振り回されてきたことか…!


それに、小さい頃からやたらと敵対意識を持たれてるんだよねぇ。



「まぁアンタに用はないのよ。私は直人先輩に用があるんだから」


「直人に?」



一体何の用があるんだろう…


嫌な予感しかしない。



「あなたが直人先輩ね?」


「そうだけど。何?」


「ふーん…なるほどねぇ」



心菜ちゃんは直人の席の前に行くと、問いかけにも答えずまじまじと直人を見ていた。


まるで、見定めているみたいに…