「だから今日早退させたんでしょ?」
「体調もそうだけど。精神的に…無理、してんだろ」
「え…」
迷いのない真っ直ぐな目で私を見てくる。
『そんなことない』
頭に浮かんだその言葉は喉につっかえて出てこなくて…
「敵わないなぁ…直人には」
どうしてこうも見透かされるんだろう。
こっちを見てくれてるって証拠なんだろうけど…
私ばっか気にして自分のことを疎かにしちゃダメじゃん。
好きな人のこと、見てないと…
「しんどいなら話してみろよ。愚痴でもなんでも…
受け止めてやるから」
そう言って大きくて骨張った手が私の頬に触れる。
途端に今まで我慢していた想いが込み上げてきて…
涙が溢れて止まらなくなった。

