「すぐに返事をしなくてもいいの。少し、考えてくれるかな?」
「…うん、分かった」
お母さんは私が頷くのを見て、病室からそっと出ていった。
足音がどんどんと遠ざかっていく…
「イギリス、ねぇ…」
誰もいない病室でひとり呟く。
お母さんと一緒に住めるのは嬉しい。
家での寂しさはちょっと和らぐと思うし…
でも、
浮かぶのは直人たち三人の姿。
イギリスへ行ったら…全然会えなくなっちゃう。
腰を落ち着かせるということは、結構長い時間向こうで過ごすだろうし…
もしかすると、永住って可能性だって…
離れたくないっーーー
その気持ちだって私の中ではスゴく大きくて。
この町で皆一緒だったら…
そんな自己中心的なことを考えてしまう。

