「外出許可が下りたら美容室に行きましょう。
出来る事なら、早く行きたいんだけど…」
「うーん…
確かにこれは奇抜過ぎるもんねぇ」
私も早くカットしてもらいたいけど…
検査とかあるし、しばらくは病院外には出れないだろうなぁ…
ちょっとの間は髪の毛くくって、ニット帽の中にでも入れ込んどくかな?
「なんか、まだ現実味がないんだよね…
頭が付いていかないっていうか」
「そんなの…当たり前だよぉ~」
さっきも泣いてて腫れている花音の目から、また涙が溢れかけている。
私も髪を切られてショックはショックなんだけど…
実感が沸かなくて感傷的になれそうにない。
でもひとつ分かるのは、
刃先を向けられた時のあの、恐怖…
死んでしまうんだと、本気で思った。
もう皆に会えないんだって…
自分なりに何かしらされると覚悟はしていたんだけど、
まさか、刺されそうになるなんてのは予想外で…

