全くの無意識だった。


気付けば松田は机諸ともぶっ飛んでいて、



「直人っ!手、手が…」



大和の指差す方を見れば、手の甲から血が流れていた…



鋏で切ったのか?



傷を認識した時に、初めて痛みを感じ出した。



けど、こんなの美桜の痛みと比べたら…



一人にした事を後悔したって遅いのに。



「美桜……、おいっ。美桜!」



呼び掛けても何の反応もない。


その姿は、まるで人形のような…






その後は大変だった。


美桜は救急車で運ばれるわ、


教師達にこれまでの状況を説明したり(分かる範囲でだが…)、


それが終わってから、美桜の搬送された病院へ三人で向かった。


結構遅くまで粘ったりしたんだが、



この日、結局美桜が目覚める事は無かった…