「何だ、これ…」



自分の目に飛び込んだ情景に、愕然とした。



辺りに散乱した髪の毛…


見た感じでも、かなりの量が散らばっている。



松田は明るく染め上げているし、長さもない。


だからこれは美桜の髪なんだと直ぐに分かった。



俺はその事実だけで怒りが爆発しそうで…



部屋の中央付近に横たわる美桜は、昨日よりも青ざめた顔で気を失っていた。




怖かった、よな…


手も…氷のように冷たい。



くそっ、


様子がおかしいって思ってたのに…!


きちんとあの時、気付けていたら…



「てめぇ」


「みみ、美桜が……美桜が悪いんだよ!
俺に楯突く、この、この女がぁあああ~~…っっ……!!」



鋏を持ちながら絶叫する松田。