下校時刻だからか、廊下の蛍光灯は消えていて…
訪れた静寂の中で…月明かりだけがうっすらと美桜を照らし出した。
扉を閉めたまま、その場から動かない美桜。
肩を震わせていて一瞬、泣いているのかと思った…
『ぉ…母さん…っ…』
ベッドの上で魘されながら、苦し気にそう呟いていた姿が頭を過る。
ずっと昔から何れだけの重荷や責任を抱えてきたのか…
背負っているものは、きっと想像なんかじゃ計り知れなくて…
こいつの事だから…母親には平気だと笑って見せているんだろ?
見つめていた背中が、フラついて段々と傾いていく。
「ホント危なっかしいよね、お前」
だからこそ、放って置けねぇんだって…
守りたいんだよ、俺が。
他の誰よりも…
一番傍で。

