「俺ん家隣なんで。ちゃんと送り届けますよ」
見兼ねてそう声を掛けた。
勿論、初めから送るつもりだったんだが…
昨日の事もあるから絶対拒まれるのは分かってたし、ここで言いたくは無かったんだけど。
「そうですよ~、なるちゃん!
私は直人に送ってもらうので気にしないで下さい!ね?」
有無を言わさず、まるで捲し立てるように話す美桜。
どうしても坂口とは帰りたくないんだな…
「…そう?うーん…
じゃあ気を付けて帰るのよ?」
「はい、分かりました!
さぁ、帰りましょう。今帰りましょう。すぐ帰りましょう!」
「な…、お前、押すなって!」
聞こえてないのか聞く気がないのか。
美桜はぐいぐいと俺を廊下へと押し出していく。
「それでは!なるちゃん、ありがとう!お世話になりました。
さようなら~!」
普段のまったりさは何処へやら…
扉を閉める素早さに、流石の俺もポカーンとした。

