ある音がその空気を打ち消した。
大和が自分の両頬を叩いた音だ。
「うしっ!それじゃあ早速乗り込もうぜ?
あんなヤバそうな店、美桜だけ行かせる訳にはいかないしな!」
「あぁ…」
全く…
美桜といい、大和といい、ポジティブというか前向きというか…
まぁ、その性格にこっちも助けられたりしてるんだけどな。
「けど…大丈夫か?」
「何が?」
「入るには一回上までよじ登らないとなんねぇんだけど…
お前、高いとこダメじゃん」
それを聞いた大和の顔が一気に青くなる。
マジでいけんのかよ…
途中で手離したり、意識なくしたりしないだろうな…
「無理そうなら俺一人で行ってもいいけど…」
「い、いや…!大丈夫、大丈夫だから!」

