「ふぁ~~っっ」



大きなあくびが出て片手で覆う。



昨日はあの後放心状態になっちゃって…


夜もあんまり眠れなかった。



未だに現実を受け止められない。



私が知らない間に、直人の気持ちは大きく変わってたんだね…



あんなに大切に想ってきた花音よりも好きになった相手、か…



まるで勝ち目がないや。



玉砕覚悟で好きなままでいたけど…


まさか、予想を上回る玉砕っぷりになるなんて。



「今度こそ……終わり、だな」



直人の幸せの為に、私がお邪魔虫になっちゃダメだ。


今は片想いかもしれないけど…
きっとすぐに両想いになる。


直人の優しさに触れれば、きっと……



まだ誰も通らない通学路で、一粒の涙が頬を撫でた。