直人が面倒臭そうにコートを脱ぐ。
そして同様に手当てしやすいように私もコート、ジャケットを脱ぐとそれぞれをハンガーに掛けた。
直人の怪我は深くなく、処置も軽く済んだ。
範囲も狭かったから大判の傷テープで事足りて、ホッと胸を撫で下ろした。
「終わったよ!消毒…滲みた?」
「別に…ありがとな」
「そんな。お礼なんて…」
素直な直人にドキッとしながらも、ズキズキする胸の痛み…
感謝される筋合いなんて私にはない。
この怪我は、私が招いたことだ。
「あとは跡が残らないように祈っときます!」
「大袈裟な。女じゃねぇんだから…」
そう言うと直人は鼻で笑った。
まぁそりゃ女じゃないし、貰い手?には困らなさそうだけどさ…
「あなたは選り取り見取りですもんね~」
皮肉を言いながら救急箱をクローゼットに戻そうと私は腰を上げようとした。

