「おっと…このまま、簡単に帰れると思った?」
外へ出ようとする私たちの前に松田くんが立ちはだかる。
何がそこまで面白いのか、楽しそうに笑う彼を不気味に思った。
「なっ!…ヤメてよ!」
「は、離して下さい!」
松田くんが目配せをすると一瞬のうちに、
花音は取り巻きの子たち、
私は男性の店員さんに捕まってしまった。
掴まれた手を離そうともがくと、ギリギリと力が増してくる。
「傷付けないでね?俺のお気に入りなんだからさ」
「はい」
痛みで顔を歪ませると、穏やかな声で制止がかかる。
すぐに圧迫感はなくなったけど、がっちりホールドされてて抜け出せそうにはない。
「美桜はホンット面白いよねぇ…
俺がこんなにも力使ってるっていうのに効かないんだもん」
「え、何?どういう意味?」

