「眞中?」



開けていたドアから私を呼ぶ声がした。


見ると生物担当の佐渡先生が立っている。


佐渡先生は教師になったばかりの若い先生。
爽やかでフレンドリーと生徒に人気がある人だ。



「もう登校か?ちょっと早すぎるんじゃない?」


「あ、日直で…といってもやる事なくなっちゃったんですけどねぇ」


「へぇ、そうなのか…」



そう言うと先生は少し考える仕草をした。


その時間、ものの数秒…



「よし!じゃあ授業の準備手伝ってくれよ!な?」



ズカズカと教室に入ってきた先生は私を立ち上がらせた。



「え…でも次の授業、佐渡先生じゃないんですけど…」


「堅いこと気にすんなよ!暇してんだろ?」



それは…そうだけど……



結局言い返すのも面倒になって、私は先生のお手伝いをすることになった。