あれ?
何か思ってたのと違うな。
普通の反応ですけど…



「おはよう…」


「うん」


「えっと…昨日は途中で帰っちゃってごめんね?その、急用を思い出して…」


「あぁ…全然気にしてないよ。寧ろ案内してくれてありがとう」



変わらない笑顔のままそう言ってくれる松田くん。



というか、全く気にしてなかったー!


それなのに私ってば、一人で勝手にオーバーリアクションしちゃって…
お馬鹿か!



「そうだ。昨日あの後スタジオで撮影があってね?これ、美桜にと思って…」



沈んだ気持ちでいる私の目の前に差し出されたもの。


それは…



「アプリコットティー…」



そう。
松田くんと初めて会った時に休憩室で飲んだあの紅茶。



「このメーカー、あんまり置いてるの見ないからさ。ほら、受け取って?」


「…ありがとう。嬉しい…」