「俺のこと、気にしてくれてんだ?」
「まぁ…そうかな?」
少しずつ松田くんがこっちに近付いてくる。
にっこりと笑顔を浮かべながら…
ただ、それだけ。
ホントにそれだけの事なのに…
私の体は無意識に後ろへ下がろうとする。
あ、あれ?
おかしいな…
何でだろう。
体が強ばってる。胸がざわついて…仕方がない。
「…美桜ちゃんって、やっぱり面白いね」
「お、面白い…?」
「うん」
何故かね。
誉められてはいないような気がするんですけれど?
どう反応していいのか困って苦笑い。
松田くんの意図が、読めない…
「俺がここに来たのはね…
美桜に会う為だよ」
そう囁く松田くんの声を聞いたら、胸のざわめきがもっと大きくなった……