「大した事ないなら良いけど……
松田…特にあいつは気を付けろよ」
「え、松田くん?」
どうして?
起き上がって聞こうとした。
けれど…
その言葉を飲み込むように、ガラッと大きな音を立てて教室のドアが開いた。
「すまん!次ここだって忘れてた!」
「鶴ちゃん。もう秋だってのに何で覚えてないんだよ~」
大和の返しにドッとクラスに笑いが起こる。
後で聞けばいいか…
そう思っていたのに、私は忠告すら忘れてしまっていた。
それが、見逃すきっかけになることも知らずに…
「ここが美術室ね。で、隣が準備室」
放課後。
私は先生の言い付け通り、松田くんに校内の案内をしていた。

