今尋常じゃない位に顔赤いからっ!


照明の熱さで火照りましたー、なんて言い訳腹黒王子が信じてくれる訳ないし…



顔を上げると直人と瞳が重なった。



正直、私は直人が余裕持ってるんだと思ってた。



だけど……



初めて見る、切羽詰まった顔。



そんな表情が目の前に来て、私の心臓は激しさを増す。




ドキドキしてるの…バレちゃうっっ!




「…美桜」


「ん…」



周りには聞こえないような小さな声。


若干掠れたその声に、体がぴくりと反応してちょっとだけ声が洩れた…



なんで名前なんて…


今、本番中なのに。



体温を感じられる位に近い距離。


色々と耐えられなくなった私はぎゅっと目を瞑った…