「もうラストだけなんだねぇ~。練習はあんなに長かったのにあっという間だね?」
「うん…ホントにね」
昼休みや放課後も残ってたくさん練習してきた。
覚える台詞がかなり多くて初めは苦労したなぁ…
笹沼先輩の求めてる演技が分からなくて悩んだりしたっけ。
…今もよく分かってないけど。
大変なことも多かったけど…うん、楽しかった!
でも…もうこれで最後なんだ……
そう思うと、ちょっと寂しいな…
「ラスト始めるよ」
「分かりました」
セットの配置をしていた先輩がこっちに来て小声でそう告げる。
私は手でOKサインを作って同じように小声で返した。
「頑張れ!」
「おうよ!」
笑い合う私たち。
花音にそっと背中を押され、舞台中央へと私は歩き出した。

