目を向けてみると手首の所が赤くなっていた。


あ~、結構強めに掴まれたからなぁ…



「これは…さっきの人たちに…」


「…やっぱ行ってくるわ」


「どこに?」


「決まってんだろ?奴等見つけて血祭りにすんだよ」


「ちま…、わー!待って待って!」



纏ってるオーラがあまりにも黒すぎるっっ!


本気で人一人殺りかねなそう!



私は引き止める為に思いっきり直人にしがみついた。


それはもうあんなに止まらなかった涙が止まっちゃう位に必死で…



「…痛むか?」


「ちょっとだけ」



私の両手を持ち上げる直人。



ホントは大分ズキズキするけど…


苦しそうに見てる直人には言えず。




「ひゃっ…」



頭を下げたなと思ったら手首に感じた軽い感触。


それはチュッとリップ音を立てて離れていった…