不思議そうな顔で二人のうちの一方が私を見上げる。
「どうかされましたか?」
「いえ、何も…」
ダメだ。余計なこと考えちゃ…!
今は目の前のことに集中せねば!
「そうですか?あっ、眞中さんって今年の姫役ですよね?劇楽しみにしてます!」
「いや、期待に添えるものかどうか…」
うっ、キラキラした笑顔が眩しい…
そんな羨望の眼差しを向けないでくれっ!
「眞中さん!先輩なんですから、俺らに敬語使わなくて大丈夫ですよ!」
「あぁ、うん…」
“先輩”
なんていい響きなんだろう…
私部活とかしてないから、後輩からこんな風に言われるなんてないし。
「劇は午後からなんですよね?」
「そうだよ!」
「じゃあ……この後、始まるまで俺達と…」

