まぁ平たく言うとあの三人の中で一番人気の高かった人とラストを演じるってことなんだよね。


つまり私にとっても結構重要な事なんだけれど…



「あーぁ!私も投票したかったのになぁ~」


「あはは…」



口を尖らせて膨れっ面の花音に苦笑いになる。



今から始まる人気投票は劇の関係者は投票出来ないことになっている。


出演する人はもちろん、裏方や演出を考えてくれた演劇部の人たちもだ。



正直私としては助かったかも…


誰に入れるか戸惑っちゃうだろうし。




「それでは早速登場して貰いましょう!王子役の三方です!」



館内に流れる大きな音響にハッとする。


顔を上げると目の前の壇上には揃って三人が立っていた。




「「「キャーーーーーーーッッッ!!!」」」



女子生徒の悲鳴に似た叫び声。


いや、生徒だけじゃなく来場者の人らも混じってるか。