姫は王子を好きだと分かった時、どんな気持ちだったのかな…



『恋をする』



一言で言っちゃえば簡単に聞こえる言葉も、その意味合いは中々に奥深い。


その言葉だけじゃ表しきれない複雑な感情が入り交じる。



その人のことを思うとワクワクして…ドキドキして…


それだけで見る世界が違って見えちゃう。


無意識に目で追ってしまったり、少しの仕草に反応しちゃったり…


相手のことを考えてるとぎゅーっと胸が苦しくなったりもして……



そんな気持ちを台詞に込める…ってことだろうか?



悶々と考えるのを止め、一拍置く。
そして呼吸を整えて台詞を吐き出した。




「愛しいと思える人が…出来たのです」



声に出した途端、溢れ出てくる好きな人への想い。


姫から王子への…




…王子への?




違う。
これはきっと、私の想いだ…



だとしたら一体……これは…




誰への気持ち?