「一旦休憩にしまーす!」



予行演習も一通り終わり、裏方の人の声で各々が動きはじめる。




普段の練習でも序盤は順調に進んでいた。


でも話が進んでいくにつれて止まってしまうシーンがあって…


三人の王子が姫に想いを伝え、思い悩むところ。


休憩になったので笹沼先輩に感想を聞きにいくとやっぱりそのシーンが気に食わないようで…



「はっきり言ってとても上手なのよ?でも…何かが腑に落ちないのよねぇ…」


「そう…ですか」



笹沼先輩も何が気に入らないのかは分からないのか…


腕を組んでうーんと悩む姿は真剣そのものだ。



「はいこれ」


「あ、ありがとうございます!」



手渡されたのは桃味の缶ジュース。


ひんやりと冷たくて心地いい…



「美桜ちゃんはさ…」


「はい?」


「好きな人とか居ないの?」


「…ぐっ、ご、ごほごほごほ!!……な、何をいきなり…!?」



飲んでる途中でいきなりの質問。



危ない危ない!
危うく飲んでたジュースを吹き出してしまうところだった…